予防策、歴史的な変遷、超高齢化社会を迎える日本で医療が果たすべき役割までを網羅した、自らも認知症になった「認知症の生き字引」がどうしても日本人に遺していきたかった一冊です!
2017年、認知症の権威である長谷川さんは、自らも認知症であることを世間に公表しました。
その理由はなぜでしょう?
研究者として接してきた「認知症」と、実際にご自身がなってわかった「認知症」とのギャップは、どこにあったのでしょうか?
こんなあなたにオススメです
・高齢の家族がいる
・家族を介護している
・認知症を予防したい
オススメ、共感を得たフレーズ
はじめに
・「この本は、これまで何百人、何千人もの患者さんを診てきた専門医であるボクが、また、『痴呆』から『認知症』への呼称変更に関する国の検討委員も務めたボクが、実際に認知症になって、当事者となってわかったことをお伝えしたいと思ってつくりました」
第1章 認知症になったボク
・「確かさ」が揺らぐ… 約束を忘れてしまう……
・自ら公表… 2017年10月、88歳
第2章 認知症とは何か
・認知症の定義
・治る認知症も
現在、認知症を治す薬はない
薬の副作用によ って認知症に似た症状が引き起こされることもある
・危険因子は加齢… 70代前半で3%、80代後半で40%超
・MCI(軽度認知障害)とは
・予防で重要なこと… いかになる時期を遅らせるか
第3章 認知症になってわかったこと
・時間を差し上げる
・役割を奪わない
・笑いの大切さ
・その人中心のケア
・騙さない
第4章 「長谷川式スケール」開発秘話
・「長谷川式スケール」とは
・何を検査しているのか
・「お願いする」姿勢
第5章 認知症の歴史
・全国を歩いて調査… 納屋で叫ぶ人……
・「痴呆」は侮蔑的… 「認知障害」が意見募集で一番高い得票数
第6章 社会は、医療は何ができるか
・薬… 発症前の状態に戻す薬はない
・薬の副作用… 予想もつかない恐ろしい副作用が出てくる恐れもある
第7章 日本人に伝えたい遺言
・耐えること
・死を上手に受け入れる
この本の評価
■内容 :4.5
■読みやすさ :4.5
■実践しやすさ :4.0
■健康リテラシー:4.0
■総合 :4.5
今日も、最後までお読みいただきありがとうございました!
リンク
著者
長谷川 和夫
1929年愛知県生まれ。53年、東京慈恵会医科大学卒業。74年、「長谷川式簡易知能評価スケール」を公表(改訂版は91年公表)。89年、日本で初の国際老年精神医学会を開催。2004年、「痴呆」から「認知症」に用語を変更した厚生労働省の検討会の委員。「パーソン・センタード・ケア」を普及し、ケアの第一人者としても知られる。現在、認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医大名誉教授。
猪熊 律子
読売新聞東京本社編集委員。1985年4月、読売新聞社入社。2014年9月、社会保障部長、17年9月、編集委員。専門は社会保障。98~99年、フルブライト奨学生兼読売新聞社海外留学生としてアメリカに留学。スタンフォード大学のジャーナリスト向けプログラム「John S. Knight Journalism Fellowships at Stanford」修了。早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了。
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