「ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由」酒井 穣 2018/1/26 90点 [♯70]

 

今日は、企業の取締役を務めながら20年以上母の介護をした、

KAIGO LAB編集長の著者が「介護離職」のリスクと

仕事と介護を両立させる人生の設計図を語る良書の紹介です。

 

 

1年半前の本書発刊時に気になるタイトルとして覚えていましたが、今回身近な問題となり手に取りました

 

介護における無知のリスクを痛感させられ、プロに相談し、自らを客観的な立場に置く重要性などたいへん学びの多い内容です。

 

 

 

こんなあなたにおすすめです

 

介護離職に直面している

親御さんの介護がそろそろ気になってきた

・介護の知識が少ない

・介護で迷いが生じている

 

 

 

おすすめ、共感を得たフレーズ

 

真の自立とは、その人が依存する先が複数に分散されており、ただ1つの依存先に隷属(奴隷化)している状態から自由であることです。

 

介護とは、ただ1人に依存させることではありません。介護離職して親を1人の子だけに依存(隷属)させるのではなく、依存先を分散させることが真の自立支援なのです。

 

 

「自分の親の介護だから、すべて自分がやってあげたい」と考える善人ほど、悲惨な介護にと突入しがち

介護生活は少なくとも10年以上(平均寿命-健康寿命)は続くことを想定しておく必要があります。

 

 

節約のために親と同居すると介護離婚リスクが高まる

  生活のリズムが合わず喧嘩ばかりになる

  生活援助系の介護サービスが受けられなくなる

  住み慣れない環境で親の心身の状態が悪化する… 認知症のリスクを高める

  同居していると特養への入所の優先順位が下げられる

  親が田舎に帰ると言い始めても田舎の家はすでにない

 

 

責任感と、親への献身的な意識が強くあることは素晴らしいことですが、介護はやはり、一人で抱え込むには無理があります。

 

・実は自治体(介護窓口)にこそお得な情報が集約されています。

 

仮に、自分が普通の生活をしているとします。そして、親の財産がなくなり、生活できなくなった場合は、自分のお金を持ち出すのではなく、親が生活保護を受給するということも検討すべきなのです。

 

 

 

 

 

 

目次(抜粋)

 

第1章 介護離職につながる3つの誤解

 

誤解①介護離職をしてもなんとかなる

介護離職をした場合、

再就職は困難であり、

再就職できたとしても

年収は半減しかねないというデータがあります。

 

介護離職をするなら、まず、1年以上収入が途絶え、再就職できたとしても今の半分程度になっても生きていけるだけの貯金が必要です。

 

 

誤解②介護離職をすれば負担が減る

 

介護離職をした人の約70%が、

経済的・肉体的・精神的な負担は

「かえって増えた」と回答しています。

 

誤解①ともつながる経済的な負担、今まで協力してくれた兄弟や親族が介護から身を引いてしまう危険などをよく考えねばなりません。

 

 

誤解③子供が親の介護をすることがベスト

 

子供が仕事を辞め、

大きな負担を伴う介護に専念することを、

親は本当に望んでいるでしょうか?

 

もしかすると親孝行になっていないかもしれません。

また、入浴介助や排泄介助など身体介護を介護のプロに任せることで、介護離職を避け仕事と両立できる可能性が高まることを忘れてはいけません。

 

 

第2章 介護離職を避けるための具体的な方法

 

方法①介護職(介護のプロ)に人脈を作る

 

日本の社会福祉は、

知らないと損をするようになっています

日本の介護保険の場合、どのような介護サービスが利用できるのかを理解し、こちらから利用を申請しないと、介護サービスを使うことができません。プロに助けてもらい、相談することが大切です。

 

方法②家族会に参加する

方法①で述べた優秀な介護のプロに出会うためにも、在宅介護をする家族の会に参加するのが役立ちます。
家族会は愚痴を言い合い、情報を交換する場であり、介護の負担を減らすために有効です。

 

方法③職場の支援制度と仕事環境の改善に参加する

介護離職は増加する傾向があり、企業は働き手を失うことを恐れて支援制度を整えつつあります。

 

 

第3章 介護を自分の人生の一部として肯定するために

 

指針①介護とは何かを問い続ける

介護とは「自立支援」であり、「生きていてよかった」と感じられる瞬間の創造でもあります。
心身の障害を得た親にも、自分らしい人生を求めて頑張り「生きていてよかった」と感じられる瞬間を届けることができます。

 

指針②親と自分についての理解を深める

親が認知症になったとしても、親の人生について知っておけば、それが役立つことがある。
自分という人間が生まれた背景には、どのような親の人生があったのか、できるだけ親が元気なうちに聞いておくべきでしょう。

 

指針③人生に選択肢がある状態を維持する

 

親の介護をしながら幸福になるためには、

親の介護を自分でやるのか、

それとも介護のプロに任せるのかが

選べる状態を維持することが重要になります。

 

 

 

 

 

この本の評価

  ■内容    :5.0

  ■読みやすさ :4.5

  ■実践しやすさ:4.0

  ■コスパ   :5.0

  ■総合    :4.5

 

 

 

隠れ介護、軽度認知障害も含めると2025年には1300万人を超える。

介護は他人ごとではない。

 

「仕事と介護を両立させる人生の設計図」となる本書は、これからの時代に必要な情報が詰まっている一冊です。

 

 

 

 

著者

著者 酒井 穣(さかい・じょう)

株式会社リクシス 取締役副社長CSO(Chief Strategic Officer)
慶應義塾大学理工学部卒。Tilburg 大学 TIAS School for Business and Society 経営学修士号(MBA)首席(The Best Student Award)取得。商社にて新事業開発に従事後、オランダの精密機械メーカーに光学系エンジニアとして転職し、オランダに約9年在住する。介護メディアKAIGO LAB編集長・主筆。

 

 

 

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