今日は、農薬、添加物、遺伝子組み換え、放射能など食の不安がある昨今、食品業界の裏側を知り尽くした食料ジャーナリストである著者がほんとうにおいしいものを語る本の紹介です。
農家や食品業界などの立場を理解しながらも、「食の真実」を語る暴露本を出版した勇気ある著者には、拍手を送りたい。
終始やわらかな論調ですが、やはり農家や食品業界に対して、一貫してかなり厳しい指摘の内容になっています。
こんなあなたにオススメです。
・”食”に疑問や不安を感じている
・”食”の正しい知識を得たい
・小さいお子さまの若いママ
オススメ、共感を得たフレーズ
・有機米は、作業量の多さに加え収量が少ないことが価格に転嫁され、割高になっている
・「効率・収量」と「おいしさ」相反する価値
・「人の出せない時期に出す」儲かる農家の鉄則… わかりにくくなった野菜の旬
・絶対おすすめ、農家直送の桃… 中間流通が入らない分、熟度の高い状態で収穫が可能
・あまり知られていない収穫後農薬(発がん物質、催奇形性などがある)の恐ろしさ…
事実を知ってから著者は輸入柑橘類を買わなくなった
・知ってしまうとどうかと思う和牛の作り方… 草が主食なのに牧草牛はわずか15%
穀物飼料で効率よく太らせる必要があるため
・鶏肉が安いそれなりの理由… おいしい鶏肉なら地鶏をどうぞ
・価格の優等生「卵」のせつない作り方
・日本の牛豚鶏はトウモロコシでできている… 間接的に遺伝子組み換え作物を食べている
・水より安い牛乳の作り方
・農薬の散布回数… りんご36回、レタス19回、きゅうり30回、トマト24回、なす53回
単位面積当たりの農薬散布量が世界一を誇る日本
・ほんとうは農薬をまいている農家が一番危険
・ほんとうにおいしいものは、スーパーでは買えない
この本の評価
■内容 :4.5
■読みやすさ :4.0
■実践しやすさ:4.0
■コスパ :4.5
■総合 :4.5
コメ、野菜、果物、加工品、畜産など、ひとつひとつの食べものがどのように作られているのかを知ることで見えてくる、 食べることの本質を学ぶことができます。
生鮮食品もネットで購入可能になり、24時間手軽に安価な食べものが手に入る世の中になり、「食」ということが希薄になっています。
「安くてたくさん作ると儲かる」という市場原理が、「食」に適用されることも理解はできます。
しかし、私たちは毎日食べるものでカラダができていて生命をつないでいるということも事実です。
「食べる」というわたしたちの生活の中で当たり前の行為は、実は未来を繋ぐ大切な行為です。
本書の内容で実践できることから少しでも行動に移すことが、こころとカラダの健康のプラスにつながると思います。
今日も、最後までお読みいただきありがとうございます。
著者
手島奈緒
鳥取県生まれ。デザイン学校卒業後デザイン事務所勤務を経て1993年自然食品宅配の老舗・株式会社大地を守る会に入社。広報室・青果物の仕入れを担当。2009年大地を守る会退社後、地域活性の行うNPO法人を経て、食べるひとと作るひとを繋ぐ「ほんものの食べものくらぶ」(http://www.hontabe.com/)を設立。
新規就農・有機農家を支援するボランティアポータルサイト・新鮮野菜.net(http://www.shinsen-yasai.net/)の監修を担当。
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