家族を相次いで介護することになった著者が、自らの体験をもとに、本人にとって、家族にとってベストの選択とはなにか、どうすればそのベストの選択ができるのかを明らかする一冊です。
「できればポックリと死にたい」「穏やかに死にたい」。でも、そのためには準備が必要。
病院死が8割を超える現代日本。
そのほとんどの人が終末医療を経て亡くなる。
じつはこの終末医療、死にゆく人にとっては、「拷問」に等しい苦しみということはご存じだろうか。
人は死ぬ間際になると、栄養をほとんど必要としなくなり、枯れるように亡くなる。
いわゆる餓死のような状態が自然で楽な死に方。
しかし終末医療では、そうした状態の人に延命と称して、チューブで無理矢理栄養や水分を送り込む「処置」が行われる。
そうやって死ぬに死ねない状態で、苦しみながらベッドの上で数ヵ月生き続けることになる。
それが本人にとって、家族にとって幸せな死に方なのだろうか?
いまでは「ムダな延命措置を拒否する」ことを希望する人も増えてきたが、それでも一度、状態が悪化してチューブを取り付けられたら最後、それを途中から外すことは、いまの日本ではきわめて難しい。
医者との付き合い方、介護施設の見つけ方、どのくらいカネがかかるのか。
人生でもっとも大切な最期の時間をみんなハッピーに過ごすためのガイドブックなので、一家に一冊備えることをオススメします。
こんなあなたにオススメです
・家族を介護している
・家族が施設に入っている
・家族、友人が重い病気にかかっている
オススメ、共感を得たフレーズ
第1章 死に方の理想と現実
・自力で生きられない期間が10年
・病院で死ぬ人は日本では、約80%という異常値…
オランダ35%、スウェーデン42%、イギリス54%、米国56%、フランス58%
⇒国民皆保険の弊害、医療・薬漬け大国日本の真実の姿です
第2章 医師・病院と正しくつき合う技術
・病院の90日ルール… 90日以上入院させられると病院がつぶれる
第3章 癌で死ぬという解
・がん治療のやめ時と病院からの逃げ時
⇒医者は訴訟が一番怖いのでマニュアル通りの「標準的治療」をやるしかない
余命宣告も必ず短めに言うのも保身です
第4章 本当にアルツハイマーなのか?
・認知症を正確に診断し、対応できる医師は極めて少ない
第5章 認知症の親と向き合う
・問題行動の裏にある心理を家族や周囲の人が理解しようと努力することで見えてくるものがある
第6章 大切な老後資金を奪われないために
・弁護士も群がる認知症老人資産
・成年後見制度の恐ろしさ
⇒デメリットの大きさを理解すると利用しない選択もあります
第7章 老後破産しないための経済学
・80代の親のめんどうを50代の子がみる時代
・「2025問題」は乗り切れない… 団塊世代が75歳を超える
第8章 死に場所としての施設を見つける技術
第9章 「ここで死んでもいいですか?」
・介護スタッフの激務は限界を超えている
介護が必要となった人が穏やかな終末期を過ごせるかどうかは、介護の現場で出会う「人」で決まります
この本の評価
■内容 :4.5
■読みやすさ :4.5
■実践しやすさ :4.0
■健康リテラシー:4.0
■総合 :4.5
今日も、最後までお読みいただきありがとうございました!
著者
たくき よしみつ
1955年、福島県生まれ。小説、デジタル文化論、デジカメ写真、狛犬美術など、幅広い分野で執筆活動。50代から福島県川内町に居を移すも、東日本大震災後、日光市に移住。
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