「認知症フレンドリー社会」2018/11/20 徳田 雄人 84点 (#114)

認知症に関わるようになって12年の元NHK社員の著書が、認知症の人が暮らしやすい仕組みを提言する一冊の紹介です。

 

 

元NHK社員といえば、N国党の立花孝志国会議員が、まさに時の人となっていますね。

以前よりユーチューバーとして活躍しており、評価は分かれると思いますが、すでに登録者数60万人越えはかなりのインフルエンサーになっています。

 

 

 

超高齢社会では認知症の人が多くなるという。

それならば、医療的な対応だけでなく、社会そのものを変えてみるのはどうだろうか。

 

バス、スーパー、図書館など英国での画期的な実践、そして新しい就労の形や、ともに生活する場を創りあげている日本全国の先進的な地域の実践を紹介しています。

 

 

 

 

 

 

 

こんなあなたにオススメです

 

・親が認知症、あるいは予備軍

・家族が高齢者施設に入っている

 

 

オススメ、共感を得たフレーズ

 

1 認知症五〇〇万人時代のもつ意味

 

・日本の総人口のの3~4人に1人が高齢者(65歳以上)で、そのうち7人に1人が認知症

 80~84歳で20%以上、85歳以上では2人に1人

 認知症になることが特別でなくなっている

 

 ⇒うつ病同様、認知症も明確な診断基準がない中、急増させられている感が強い

  厚労省、医療業界の取組姿勢からうつ病、生活習慣病のように今後ますます医療費が増大していくことが読み取れます

 

 

・認知症の「社会的費用」

 2014年で14.5兆円… 国家財政(100兆円)の15%がこれからさらに増える

 

・認知症になる前に多くが亡くなっていた時代から、多くの人が長生きして認知症になる時代へシフト

 

 

 

2 認知症対処社会と認知症フレンドリー社会

 

・免許返納問題 

 医師が、健常者と認知症の人の境界を明確にわけることは困難

 ⇒認知症は病気ではなく症状のため、医師としても保身に動かざるを得ないですね

 

 

3 認知症をとりまく本当の課題

 

「認知症は病気言説」の功罪

 認知症の治療薬(進行を一時的に抑制するだけ)が登場したのが1999年

 ⇒この後、認知症という病名をつくった厚労省、医療製薬業界

 

 

4 英国の挑戦

・最も進んでいる英国では、2009年に認知症を国家の重要課題と位置づけ、認知症国家戦略を発表

 

 

5 日本の挑戦

・福岡県大牟田市、静岡県富士宮市、東京都町田市、神奈川県川崎市宮前図書館… 

 

 

6 これからの社会を考えるヒント

 

 

 

 

この本の評価

  ■内容     :4.0

  ■読みやすさ  :4.5

  ■実践しやすさ :4.0

  ■健康リテラシー:3.5

  ■総合     :4.0

 

 

 

今日も、最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

 

 


著者

徳田雄人

1978年東京生まれ。2001年東京大学文学部を卒業後、NHKのディレクターとして、医療や介護に関する番組を制作。09年にNHKを退職し、認知症にかかわる活動を開始。

10年よりNPO法人認知症フレンドシップクラブ理事。NPOの活動とともに認知症や高齢社会をテーマに、自治体や企業との協働事業やコンサルティング、国内外の認知症フレンドリーコミュニティに関する調査、認知症の人や家族のためのオンラインショップの運営などをしている。

 

 

 

 

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