「老人の取扱説明書」2017/9/6 平松 類 90点 [♯99]

老人の困った行動に対して、周囲はどうすればいいのか、老人本人は何をすればいいのかがまとめられた一冊です。

 

どれも簡単で、すぐに実行に移せる方法です。
まずは、老人の困った行動の原因を「認知症」や「頑固な性格」だと思わないことが重要です。

 

実際の診療で10万人以上の高齢者と接してきた経験と、国内外の膨大な医学論文やデータから得た知識でまとめられていて、心理にもかなり細部に踏み込んでおり、たいへん説得力のある内容です。

こんなあなたにオススメです

 

・老いた親など、困った行動をする高齢者が身近にいる

・高齢者全般、高齢者に近い将来になる

・高齢者と接することが多い介護施設の職員や医療関係者

 

 

 

 

オススメ、共感を得たフレーズ

第1章 老人の困った行動3大ド定番

・都合の悪いことは聞こえないふりをする

 80代以上では7割以上が難聴、高い音で特に若い女性の声が聞こえにくくなる

 話すコツは三つ「低い声で、ゆっくり、正面から顔をみて」

 

 

・突然、「うるさい!」と怒鳴る。でも、本人たちは大声で話す

 耳鼻科で書類をそろえて、補聴器を安く買おう

 難聴が、認知症を加速させている

 

 

 

第2章 いじわる

・「私なんて、いても邪魔でしょ?」など、ネガティブな発言ばかりする。

 ネガティブな発言を封じるのは逆効果

 

伴侶に先立たれた高齢者は、自殺する可能性が高い

 

・せっかくつくってあげた料理に醤油やソースをドボドボとかける

 老化すると味覚が落ちてきて、塩分は“12倍”ないと若い頃と同じに感じない

 

 

 

第3章 周りが大迷惑

・信号が赤に変わったのに、ゆっくり渡っている。信号が元々赤なのに、堂々と渡ってくる

・指摘はできないが、口がそこそこ臭い

忘れたのではなく、最初から聞こえていないことも多い

 

 

 

第4章 見ていて怖い、心配…

・自分の家の中など、「えっ、そこで!?」と思うような場所でよく転ぶ

 高齢者の事故現場で最も多いのは家の中で77.1%

 

・お金がないという割に無駄遣いが激しい。

この本の評価

 

  ■内容     :5.0

  ■読みやすさ  :4.5

  ■実践しやすさ :4.5

  ■健康リテラシー:4.5

  ■総合     :4.5

 

 

 

 

老いた親の行動に、諦めなくて済む。

 

高齢者の困った行動の原因となるのは、ほとんどが認知症や頑固な性格よりも、老化による体の変化「老化の正体」だったのです。

 

本書では、この「老化の正体」と、その対処法として手軽にできる方法を、医学的にやさしく解説しています。これらを知ることで、周囲の人はイライラせずに冷静に対処できますし、高齢者本人は卑屈になることが減ります

 

 

まさに、周囲の人と高齢者でWin―Winの関係を構築し、少しでも快適な生活ができることを目指した一冊です。

 

 

 

 

今日も、最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

 

 

著者

平松 類(ひらまつ・るい)

医師/医学博士。愛知県田原市生まれ。昭和大学医学部卒業。
現在、昭和大学兼任講師、彩の国東大宮メディカルセンター眼科部長、三友堂病院非常勤医師・眼科専門医・緑内障手術機器トラベクトーム指導医として勤務している。

のべ10万人以上の老人と接してきており、老人が多い眼科医として勤務してきたことから、老人の症状や悩みに精通している。医療コミュニケーションの研究にも従事し、シニア世代の新しい生き方を提唱する新老人の会の会員でもある。

 

 

 

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