慈恵医大で「行動変容外来」を開設、新型人間ドック「ライフデザインドック」を始めた著者が、食事の管理、運動の習慣、禁煙…どうしても実践できなかった、
「緊急でないが重要なこと」が、今度こそ「実行できる自分」に変わる方法を紹介した1冊です。
こんなあなたにオススメです
・健康寿命を延ばしたい
・家族に生活習慣病予備軍がいる
・食生活を見直したい
オススメ、共感を得たフレーズ
・いわゆる「ピンピンコロリ」で天寿を全うする人は20人に1人。
ほとんどの人は「寝たきり」や「認知症」を経て最期を迎えるのが現実です。
・マインドと習慣を変えて、老化を遅らせるしかない
第1章 現代医療は人生100年に対応していない
・「人生100年時代」は「死ねない時代」… 認知症、寝たきり
・「人生100年」なのに、医療は「人生70年」のまま
・病院の診療科が、臓器別・器官別のため、個別の病気を診ることができても全身の老化に対応できる医師がいません。
⇒専門を細分化かつ”縦割り”診療の大きな弊害ですね。症状から体全体を診る統合医療が広がることが求められています!
・生活習慣病という”老化”は薬では治らない… 根本的な治療とはなり得ない
・体の老化を遅らせることができるのは、体に良い食事や運動といった日々の習慣の積み重ねしかない
第2章 健康マネジメントで人生100年を幸せに生きる
・ますます長くなる定年後の人生をどう生きるか
・どうせ長生きするなら主体的に健康を選ぶべき
・国民皆保険制度に甘えている日本人
⇒皆保険制度のない米国等の高い健康意識を学ぶことが必要ですね
・スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』で、第3の習慣として紹介されているのが「最優先事項を優先する」。
そこでは「緊急でないが重要なこと」にいかにリソースを割けるかが人生の充実度を左右すると述べられています。
食事の管理、運動の習慣、禁煙…… これらも「緊急の課題ではない」ためついつい後回しにしてしまって、なかなか実行できないという人が大多数でしょう。
そこを、どう「実行できる自分」に変えていけるか――
第3章 健康マネジメントの第1段階「マインドを変える」
・健康マネジメントは「アセットマネジメント」… 体は財産
・「自己肯定感」が低いから習慣化に失敗する
第4章 健康マネジメントの第2段階「自分を知り、どうありたいかを考える」
・歩行速度や握力で寿命がわかる
・健康診断の結果を継時的にみる… 正常値内で進行する老化を見つける
第5章 健康マネジメントの第3段階「自分にちょうどいいことを習慣化する」
・運動で毛細血管を増やし、認知機能を改善させる
・毛細血管密度の高い人は、若々しく見える
・運動は筋力を維持し、歩行機能を落とさないためにぜひ習慣化すべき
この本の評価
■内容 :4.5
■読みやすさ :4.5
■実践しやすさ :4.0
■健康リテラシー:4.0
■総合 :4.5
医療の発達によって平均寿命は急速に延びていますが、それに伴い今後ますます「寝たきり」や「認知症」の期間が長くなる「死ねないリスク」に直面します。
つまり、70代、80代で健康を維持できる人とできない人で、人生の充実度に雲泥の差が出てくるのは明らかでしょう。
今後重要になってくるのが、本書提唱の生活習慣病の管理、すなわち「健康マネジメント」です。
著者のような診療をする医師が、日本で増えることを強く願うばかりです。
健康リテラシー、健康意識を上げて、本書の「健康マネジメント」を自ら実践することが、人生100年時代の戦略的な生き方ですね。
今日も、最後までお読みいただきありがとうございました!
著者
横山啓太郎[ヨコヤマケイタロウ]
東京慈恵会医科大学教授・行動変容外来診療医長。1958年生まれ。1985年東京慈恵会医科大学医学部卒業。2016年、大学病院として日本初の「行動変容外来」を開設、診療医長に。
日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本腎臓学会認定専門医、日本透析医学会指導医。主な研究分野は、慢性腎臓病の進展抑制と合併症研究、Ca制御機構に関する研究、血管石灰化研究、生活習慣病行動変容。
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