認知症の人と、その家族がともに幸せな生活を送るための本の紹介です。
心配で、症状が進行しないようにと、トレーニングやリハビリをさせようと思うかもしれません。しかし、それよりも本人の声を聞くことが大事です。
何をしたいか、遠慮していることはないか、尋ね、考え、一緒に実行してみましょう。
接し方を変えることで、思いが通じ合えば、より暮らしやすくなり、心地よい環境になることで、認知症の症状は変わります。
こんなあなたにオススメです。
・親が認知症になった
・親を介護している
・親の介護がそろそろ気になってきた
・介護、認知症のことをよく知らない
オススメ、共感を得たフレーズ
・ケアはできるだけプロにまかせてください
介護するうえで注意することは、「どれだけ本人と離れていられるか」
・母を変えることはできないから、自分から変わっていかないといけない
・「やろうとしない」のではなく「やろうとしてもできない」から本人もつらい思いをしています
・家族が「認知症かもしれない」と感じたなら、本人はもっと前から感じていたはず
・認知症を治す薬はなく、進行を緩やかにするために脳に働きかけるもの
この本の評価
■内容 :4.0
■読みやすさ :4.5
■実践しやすさ :4.5
■コスパ :4.5
■健康リテラシー:4.0
■総合 :4.5
目次
1章 いろいろなことを乗り越えてきた家族の体験談から、認知症の人との暮らし方のヒントが見つかります。
2章 知っておきたい体の変化、体調管理について役立つ情報。目、口、耳、肌、足の専門医がアドバイスします。
3章 認知症について知りたいことをQ&A形式で紹介。症状、病院の選び方、検査についてなど。
4章 家族の負担が軽くなる医療や介護のサービスの使い方を紹介。誰に何を頼めるのかがわかります。
本書は、上記の4つの章から構成されていますので、気になるところから読み進められます。
本書では触れられていませんが、最後に他の本の書評での警鐘を転載します。
かつては、痴呆と呼ばれ「だいぶぼけてきたね」ですまされ、ぼけと折り合っていたお年寄りが、いまでは認知症という病名をつけられ、医療の対象となり薬物療法を施されているという現実。
”認知症はつくられている”という”真実”
「2004年に認知症という病名は厚生労働省によってつくられた」
「抗認知症薬には副作用があり、興奮や徘徊といった副作用が出たら、それを抑えるために向精神薬が投与されます」
結果として、お年寄りは本物の認知症にされてしまうという恐ろしい現実があります。
今日も、最後までお読みいただきありがとうございました!
著者
繁田雅弘
東京慈恵会医科大学精神医学講座教授。同大学精神神経科・メモリークリニック診療部長。東京慈恵会医科大学卒業。東京都認知症対策推進会議副議長、日本老年精神医学会理事、日本認知症ケア学会理事。東京・三鷹「のぞみメモリークリニック」非常勤医師。
病気と暮らしを見守る医療者でありたいと考えている。
大澤誠
医療法人あづま会大井戸診療所理事長・院長。信州大学医学部卒業。1987年大井戸診療所を開業。日本老年精神医学会専門医・指導医、日本精神神経学会専門医・指導医、日本認知症学会専門医・指導医、日本東洋医学会専門医。
診療所、訪問看護・訪問リハビリ、デイケア、グループホームなどの施設をもつ医療法人で、おもに認知症の人の在宅医療に取り組んでいる.
内門大丈
医療法人社団みのり会湘南いなほクリニック院長、横浜市立大学医学部臨床准教授。横浜市立大学医学部卒業。いなほクリニックグループ共同代表として、認知症医療(もの忘れ外来、在宅医療)を推進。N‐Pネットワーク研究会、広告医学研究会、湘南認知症研究会、湘南健康大学などの取り組みを通じて、認知症に関する啓発活動・地域コミュニティの活性に取り組んでいる。
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