人生100年時代とも言われるように、人類はかつてないほど長生きするようになった。
だが、より良く生きるようになったかといえば、そうとはいえない。
私たちは不自由な体を抱え、さまざまな病気に苦しめられながら晩年を過ごし、死んでいく。
だが、もし若く健康でいられる時期を長くできたらどうだろうか?
いくつになっても、若い体や心のままで生きることができて、刻々と過ぎる時間を気に病まずに、何度でも再挑戦できるとしたら、あなたの人生はどう変わるだろうか? そんな問いに応える一冊です!
ハーバード大学医学大学院で遺伝学の教授を務め、長寿研究の第一人者である著者は、そのような世界がすぐそこまで迫っていることを示す。
本書で著者は、なぜ老化という現象が生物に備わったのかを、「老化の情報理論」で説明し、なぜ、どのようにして老化を治療すべきなのかを、最先端の科学的知見をもとに鮮やかに提示してみせる。
私たちは寿命を延ばすとともに、元気でいられる期間を長くすることもできる。
老化遺伝子が存在しないように、老化は避けて通れないと定めた生物学の法則など存在しないのだ。
生活習慣を変えることで長寿遺伝子を働かせたり、長寿効果をもたらす薬を摂取することで老化を遅らせることさえも可能となるだろう。
では、健康寿命が延びた世界を、私たちはどう生きるべきなのだろうか?
著者によれば、寿命が延びても、人口は急激に増加しない。
また、人口が増加しても、科学技術の発達によって、人類は地球環境を破壊せずに、さらなる発展を目指すことができるという。
いつまでも若く健康で生きられれば、年齢という壁は消えてなくなる。
孫の孫にも会える時代となれば、私たちは次の世代により責任を感じることになる。
変えられない未来などない。
私たちは今、革命(レボリューション)の幕開けだけでなく、人類の新たな進化(エボリューション)の始まりを目撃しようとしているのだ。
こんなあなたにオススメです
・いつまでも若々しくありたい
・加齢の症状が気になってきた
・人生百年時代を健康で過ごしたい
オススメ、共感を得たフレーズ
第1部 私たちは何を知っているのか(過去)
第1章 老化の唯一の原因 ― 原初のサバイバル回路
・適度なストレスが長寿遺伝子を働かせる
第3章 万人をむしばむ見えざる病気
・現代のもぐらたたき式の医療の問題点
・個々の病気を治療するだけでは健康寿命は延ばせない
第2部 私たちは何を学びつつあるのか(現在)
第4章 あなたの長寿遺伝子を今すぐ働かせる方法
・間違いなく確実な方法 ーーー 食事の量や回数を減らせ
・間欠的断食 ーーー 画期的な健康増進法
・寒さに身をさらして長寿遺伝子を働かせる
・サウナの効果 ーーー 高温は人体にプラスか
フィンランドでの20年にわたる追跡調査
頻繁にサウナを利用する人(最高週7回)は週1回の人より心疾患発症率、心臓発作で亡くなる件数、全死因死亡率がおよそ2分の1だった
・タバコや有害な化学物質、放射線は老化を早める
第5章 老化を治療する薬
第3部 私たちはどこへ行くのか(未来)
第8章 未来の世界はこうなる
・一番重要なこと ーーー 長い人生がもたらす人間らしさ
第9章 私たちが築くべき未来
おわりに ― 世界を変える勇気をもとう
この本の評価
■内容 :4.5
■読みやすさ :4.0
■実践しやすさ :4.0
■健康リテラシー:4.0
■総合 :4.5
今日も、最後までお読みいただきありがとうございました!
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著者
デビッド・A・シンクレア
世界的に有名な科学者、起業家。老化の原因と若返りの方法に関する研究で知られる。とくに、サーチュイン遺伝子、レスベラトロール、NADの前駆体など、老化を遅らせる遺伝子や低分子の研究で注目を浴びている。ハーバード大学医学大学院で、遺伝学の教授として終身在職権を得ており、同大学院のブラヴァトニク研究所に所属している。
老化、ワクチン、糖尿病、生殖能力、がん、生物兵器防衛などの分野で、14社のバイオテクノロジー企業を共同創業している。国防関係機関やNASAとも共同研究を行なうほか、これまでに35の賞や栄誉を授与されている。『タイム』誌による「世界で最も影響力のある100人」の1人に選出され(2014年)、「医療におけるトップ50人」の1人にも選出されている(2018年)。
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