後期高齢者の医師だからこそ言える、きれいごとを排した医療と介護の真実を語る一冊です。
生き方、死に方についての意識が変わる、目から鱗の良書です!
世間では2025年問題(団塊の世代が75歳以上になる)を解決すべく、様々な取り組 みがなされているが、それは結局「弱っても死ねない身体づくりを」しているだけ。
つまり健康寿命を延ばそうとすることで要介護期間が延び、社会全体の医療と介護費用はますます増えてしまうのだ。
誰もが「ピンピンコロリ」を願うが、それは1等7億円のジャンボ宝くじに当たるよりむずかしいこと。
ならば老人はどうすればいいのか?
こんなあなたにオススメです
・後期高齢者のかた
・家族に後期高齢者がいるかた
・医療にかかわり続けている方
オススメ、共感を得たフレーズ
はじめに
・医療や介護が余計な手出しをして邪魔をしなければ、私たちの身体は自然のしくみが働いて穏やかに、安らかに死ねるようにできている
・大事なのは、当事者である高齢者の意識改革。
どんな状態でも病院に行きさえすれば何とかしてもらえるという(洗脳された)幻想が問題
第1章 医療業界による“マインド・コントロール”は凄い
・病気を治す主役は「自然治癒力」… 医者や薬、器械は脇役にすぎない
・今の医療保険制度は、薄利多売方式なので一人でも多くの患者を診ないことには経営も生活も成り立たないしくみ
・高度な医療は重度の障がい者をつくる
医療の恐ろしいところは、「どんな状態でも助ければいい」「1分1秒でも長く生かせばいい」というところ
・わがことして真剣に考えずに済んでいるのは、あまりお金がかからない今の医療保険制度の影の部分が色濃く反映されている
⇒欧米にはない、国民皆保険制度が「自分の健康は自分で守る」ことを放棄させ、安易な医者信仰、薬信仰につながっています
・各学会の「診療ガイドライン」が出てから、セカンド・オピニオンが「金太郎あめオピニオン」になってしまった
・ぼけの進行を遅らせる薬はない… それどころか副作用で粗暴に変身することも
第2章 「延命医療」と“延命介護”が穏やかな死を邪魔している
・人間には穏やかに死ねるしくみが備わっている
・医療についてマインド・コントロールされている人たちには、何をいっても通じない
・自分で飲み食いできなくなれば「寿命」… 食べないから死ぬのではなく、「死に時」がきたから食べない
・「できるだけの手を尽くす」というのは、「できる限り苦しめる」とほとんど同義
第3章 年寄りの手遅れで無治療の「がん」は痛まない
第4章 自然死なら「看取り」はどこでもできる
第5章 繁殖終えたら「死」を視野に生きる、かかわる
第6章 “真打ち”は「死に時」がきたら素直に受け入れよう
この本の評価
■内容 :5.0
■読みやすさ :4.5
■実践しやすさ :4.5
■健康リテラシー:5.0
■総合 :4.5
今日も、最後までお読みいただきありがとうございました!
著者
中村 仁一
1940年長野県生まれ。社会福祉法人老人ホーム「同和園」附属診療所所長、医師。京都大学医学部卒業。財団法人高雄病院院長、理事長を経て、2000年2月より現職。1985年10月より、京都仏教青年会(現・薄伽梵KYOTO)の協力のもとに、毎月「病院法話」を開催、医療と仏教連携の先駆けとなる。1996年4月より、市民グループ「自分の死を考える集い」を主宰し、これまでに二百五十回を数える。
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