「のむな、危険! 抗うつ薬・睡眠薬・安定剤・抗精神病薬の罠」2015/3/16 北野 慶 90点 [♯180]

薬害被害者の生の声、向精神薬の隠された真相と精神医療の実態、くすりに頼らない「心の病」の治し方などを追求する一冊です。  
著者自身の向精神薬依存と断薬失敗の経験、苦しい離脱症状(禁断症状)と闘いながらも断薬に成功した人々の体験談をはじめとして、製薬業界と精神医学界がつくり出してきた、「薬が患者を生み、症状を悪化させるメカニズム」、「薬漬け精神医療の実態」を明らかにしています。  
飲めば飲むほど悪化、
続けるとやめられなくなる依存症(中毒)、
やめようとしてもやめられない離脱症状(禁断症状)の地獄。 
日本の精神医療が語られるとき、33万人にのぼる入院患者数やその平均在院日数の長さが問題にされることはあっても、320万人の精神疾患患者が日常的に受けている薬物療法の危険性が問題にされることはほとんどない。 
21世紀に入って100万人にまで激増したうつ病患者と不安障害、不眠症など比較的症状の軽い患者、症状の重い統合失調症患者などに同じような薬が処方されている。
 
 
 
しかも普通に、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、抗精神病薬などの向精神薬が複数種類何錠も出されているのだ。
 
 
 
なかでも抗不安薬、睡眠薬として用いられるベンゾジアゼピン系薬剤は、数十年も前から強い精神的・身体的依存性が指摘されているにもかかわらず、本では世界一多く消費されている。

 

こんなあなたにオススメです

 

・家族、友人が心の病になっている

・睡眠薬を常用している

・心療内科に通院している

 

 

 

オススメ、共感を得たフレーズ

 

まえがき

薬物療法一辺倒の日本の精神医療は、欧米にくらべて20~30年遅れている

 

第1章 聞いてください!被害者の訴え

 

・心療内科受診からクリニックをはしごするまで

  精神科は今日も、やりたい放題 医者が教える、過激ながらも大切な話 (PHP文庫)(内海聡著 )との出会い

 「原子力ムラ」同様、金と権力と利害関係で結びついた「精神医療ムラ」が患者を食いものにしている現実

  

  

第2章 向精神薬被害者―それぞれの断薬との闘い

 
・安易に受診し症状悪化、一気に断薬
 
 12年の薬漬け生活から一人で断薬に挑戦して1年10カ月で成功した方の言葉
 
 「とにかく、自分の意志で、自分で調べて、自分で実行すること」  
二〇錠を超える多剤大量処分の地獄から生還し、薬害被害を訴える夫婦
 
 
 
 

第3章 向精神薬の正体と被害の実態

 
・薬で心の病は治るのか?
 もやもやした心の中の霧を晴らしてくれるような爽快な一冊 
 
 
子どもへの向精神薬投与によって15人に1人が「重度の精神疾患」
20代、30代の自死者の99%が精神科受診中であった… 3,000人の調査
・ブラッククリニックに多い「なんちゃって診療内科医」
 精神科や心療内科が”おいしい”のは、初期投資が格段に安くすむという事情… 機材が一切不要 
    
 
 
 
 

第4章 向精神薬依存症と心の病の治し方

 
・薬をやめたい―または病院に行かずに心の病を治したい
 現役精神科医が書いた精神医療批判で薬物療法を否定している本
 「薬を抜くと、心の病は9割治る(銀谷翠 2014年)」 
 
 
・制度と意識の改革を!
 
 銀谷翠精神科医師「競争の激しい製薬業界の社員たちにもうつ病を発症する人は多いが、彼らはほとんど向精神薬を飲みません。薬の怖さを、自分たちが一番よくわかっているからでしょう」
 
⇒医師が、自身と家族に抗がん剤治療やバリウム検査、がん検診などを受けないのと一緒です 

 

 

 

この本の評価

  ■内容     :5.0

  ■読みやすさ  :4.5

  ■実践しやすさ :4.5

  ■健康リテラシー:4.5

  ■総合     :4.5

 

 

 

 

今日も、最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

 

著者

北野 慶

1954年生まれ。1979年北海道大学文学部哲学科卒業。出版社勤務、日本語講師などを経て、韓国語翻訳者。 

 

 

 

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