様々ながん情報がますます氾濫するなか、「極論に走らない、患者目線の本質論」で信頼される医師が、がん宣告を受けたらまず何を知り、どう考えれば正しい選択ができるかをわかりやすく語った、2時間で読める一冊です!
鳥越俊太郎さんのように何度も手術し完治する人も、「ステージIV・余命2ヶ月」から数年生きる人も珍しくない。
しかし「がん告知=死の宣告」というイメージはまだまだ強く、殆どの人はパニックに陥ってしまう。
得体の知れない不安がスーッと消える。
不安、迷い、怒り…心の持ち方、後悔しないための考え方、主治医や治療方法の選び方。
主治医に聞けないがんよろず相談室のような良書です。
こんなあなたにオススメです
・がんの告知を受けた
・がんの治療で悩んでいる
・がんの再発を恐れている
オススメ、共感を得たフレーズ
1章 もはや「がん=治らない」ではありません
・大腸・乳がん90%、胃がん・大腸がん70%、がん全体69%—5年生存率はここまで上がっている
⇒「がん告知」という表現もよくなく、そもそも日本語の「がん」という言葉の響きがよくない
・なんで私ががんに?
医者には明確な答えがない
⇒10年、20年のいままでの生活を振り返って、自分で原因をさがすことが大事です
カラダの声を聴くことです
・放置療法に賛成も反対もなく、「治療した方がメリットが大きいがんと放置したほうがメリットが大きいがんがある」… 80代以上の場合は、放置したほうがメリットが大きいことが多い
・余命半年とか1年とかいったことを聞くとたびに「根拠はなんやろ?」と不思議に思います
医者の余命予測はあまりあたりません
過去の患者さんたちの生存期間中央値にすぎないので、余命宣告は信じない方がよい
2章 ステージ4でも完治するがんはいくらでもあります
3章 「どうすればいいか」を考えるために
・賢い患者になる… 後悔しないようにするには、医者まかせではなく、自分もよく勉強して、自分で治療の主導権、選択権をもたなければいけません
4章 “近藤誠本”は80歳以上の人にはぴったりです
・どんなに検査しても、100%正しい診断というものは難しい
白黒つかない悩ましいケースでは、最大限情報を集めたうえで、最終的に自分で決断するしかない
・多くの医者は、「どうやって治療を行うか」と考えます
治療の「やめどき」を提案してくれる医者は、少数派で「がんと闘う治療」が延々と続く
自分のことをいちばんよく知っているのは自分自身なので体調などを医者に伝える力も大切です
5章 心の持ち方で「第二の人生」はこんなに変わります
・がんとどう向き合っていくかは、人生そのもの。第二の人生をどう生きるかというテーマになります
6章 追いつめられても、自分を見失わないでください
この本の評価
■内容 :4.5
■読みやすさ :4.5
■実践しやすさ :4.5
■健康リテラシー:4.5
■総合 :4.5
今日も、最後までお読みいただきありがとうございました!
著者
長尾 和宏
1958年、香川県生まれ。医師、医学博士。医療法人社団裕和会理事長、長尾クリニック院長。84年、東京医科大学卒業、大阪大学第二内科入局。95年、兵庫県尼崎市で開業、2006年より在宅療養支援診療所となり、外来診療と24時間体制での在宅診療を続ける。日本尊厳死協会副理事長、日本慢性期医療協会理事、日本ホスピス在宅ケア研究会理事、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本禁煙学会専門医、日本在宅医学会専門医、日本内科学会認定医、関西国際大学客員教授、東京医科大学客員教授。
関連おすすめ(Amazonカスタマーレビューなどの高評価からも厳選)
「がんで余命ゼロと言われた私の死なない食事」2017/3/9 神尾 哲男 92点 [♯184]
「医者に頼らなくてもがんは消える~内科医の私ががんにかかったときに実践する根本療法」2017/7/15 内海 聡 95点 [♯183]
「がん検診を信じるな ~「早期発見・早期治療」のウソ 」2017/2/23 鳥集 徹 93点 [♯175]
『がん治療に殺された人、放置して生きのびた人』2018/11/23 近藤誠 93点 [♯135]
「ガンは食事で治す」2018/11/23 森下 敬一 94点 50冊目
「がんが自然に治る生き方」2014/11/13 ケリー・ターナー 96点 41冊目
「家族のケアでがんは消える 患者を生還に導く48の智恵」2015/1/1 野本篤志 95点 34冊目
「ガンとわかったら読む本」2018/6/16 佐藤 典宏 96点 33冊目
「医者が教える 「がん」にならない 30の習慣」2019/6/27 近藤誠 97点 10冊目