「健康診断は受けてはいけない」2017/2/17 近藤 誠  95点 [♯165]

日本人の多くは「健康のため」職場の健診や人間ドックを受診しているが、こうした健診も人間ドックも欧米にはありません!

 

本書では、さまざまなデータや論文に基づき、「健康診断が有害無益である」ことを徹底的に明らかにします。

 

 

 

「より健康になる」「寿命をのばす」という効果を示すデータが存在しないからです!

 

健診は過剰な医療介入のきっかけとなり、日本人の寿命を縮めているという”真実”を語る一冊です。

 

 

 

 

日本の男性は職場健診で寿命を縮めている!?

 

 

著者の近藤誠医師ご本人も、慶大病院で在職した40年間、執行部から強い圧力がありながらも、一度も受けませんでした。

 

 

検診は有効というデータがないからです。

にもかかわらず、日本では、医学的な根拠がないままに、1972年の「労働安全衛生法」で健診が義務化され、今日に至っているのです。

 

 

 

さらに危険なのは、「過剰な検診」が、過剰な薬の処方や手術など「過剰な治療」につながるからです。

 

 

 

 

こんなあなたにオススメです

 

健康診断を毎年受診している

・健診結果の数値が必ずひっかかる

 

がん検診を定期的に受けている 

 

 

 

 

 

オススメ、共感を得たフレーズ

 

はじめに

健診が厚労省の権益の源泉になっている

 

日本人の健康状況は相当危ういことになっています。平均寿命はたしかに長いのですが、ボケている期間や介護を受ける期間も長い

健康寿命と平均寿命の差が、約10年(男性9年、女性12年)もあるのは日本だけです!

 

 

日本の平均寿命は世界のトップクラスですが、奇妙なのは、男女間で平均寿命に6歳もの差があることです。

 女性よりも職場で健診機会の多い日本の男性は、まさに「健診で寿命を縮めている」可能性があるのです。

 

 

 

第1章 健診を受ける人と受けない人

 

健診とそれに続く医療介入は、寿命を縮めるリスクがある

 そのことを医師は知っているが口を閉ざす理由… 

 

 

 

第2章 がん検診の効果を検証する

 

・胃がん検診… 日本は義務化、欧米は実施せず

 国策となったのは1983年

 

・前立腺検診… 「おもしろいようにがんが見つかる」

 発見数増加に伴い、死亡数も増加 

 

 

・子宮がん検診には流産や不妊症のリスクあります

 

  

 

第3章 健診のデメリット

 

・かならず生じるデメリット…

 そもそも検診は異常を乱発する仕組みになっています… 9割以上が異常判定になる
 

 

CTや胃エックス線撮影には放射性被ばくによる発がんリスクあります

 

・異常値が見つかった後に行なわれる肺や前立腺の「生検」も極めて危険です。 

 

 

  

 

第4章 どれほど死者が増えるのか?

 

人間ドックには「早く見つけるほど、早く死にやすい」という逆説があります

 

 実際、中村勘三郎さん、千代の富士、川島なお美さんは、人間ドックで「がんを早期発見され、早期に亡くなってしまった」のです。

 

 

 

第5章 がん検診に救命効果がない理由

 

「潜在がん」は放置すればよい… 前立腺がん、甲状腺がん、乳がん

 ”もどき”は転移しないので、”ニセモノのがん”

 潜在がんの頻度は、加齢とともに上昇することから老化現象の一種

 

・日本では「早期がん」も、欧米ではほとんど「良性病変」  
 

 

  

 

第6章 検査値の異常

 

日本人はクスリ漬け… 60代3割以上、70代以上5割以上が服用(2011年調査)

 

・異常値とは… 5%を自動的に「異常値」扱い

 検査30項目で全体の8割が異常判定される仕組み!!

 

 

・高血圧のウソ… 基準値切り下げで降圧剤の売り上げが年間1兆円超に! 

 「皆さん、医者と製薬会社のために、クスリをどしどし飲んでくださいね、多少死人が増えるけど」… WHOの基準作成委員会委員長の弁(1999年)を翻訳

 

 

数千万人が降圧剤を飲んでいる日本での不都合な事態

 脳梗塞の増加、ボケ症状の増加、発がんリスク… 
 

 

  

 

第7章 新たな健診

 

・メタボ健診のウソ、CT・PETによる検診のウソ、ピロリ菌検診のウソ

脳ドックのウソ… 欧米には存在しない! 

 

  

 

第8章 温故知新―検査機器とクスリに頼る日本の医者

 

・状況が一変したのは、1961年に始まる”国民皆保険制度”

比較試験を重視する欧米… 健診も無意味と判断

 

職場健診やがん検診の推進は「公共事業」… 厚労省の縄張り

・検査は医師の収入源… 人口減の日本で医師は増加している
 

 

 

第9章 検診を宣伝する者たち

 

著名人によるがん検診の推奨… 坂東眞理子氏、堀江貴文氏、北斗晶さん… 宣伝に利用されている
 

 

 

第10章 ではどうするか?

 

「検査値より自分のからだを信じる」こそ、健康の秘訣です。

 

・健康な時に、健診など受けるものではありません。

 

 

 

 

 

この本の評価

  ■内容     :5.0

  ■読みやすさ  :5.0

  ■実践しやすさ :4.5

  ■健康リテラシー:5.0

  ■総合     :4.5

 

 

 

 

今日も、最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

 

著者

近藤 誠

1948年生まれ。近藤誠がん研究所所長。73年、慶應義塾大学医学部卒業、同大学医学部放射線科入局。79~80年、米国へ留学。83年から同医学部放射線科講師を務める。96年には著書『患者よ、がんと闘うな』で抗がん剤や拡大手術などがん治療の在り方に一石を投じた

2012年には第60回菊池寛賞受賞。14年、慶應義塾大学を定年退職。13年に「近藤誠がん研究所セカンドオピニオン外来」を開設。

 

 

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