今日は、昼夜を問わずたくさんの認知症患者を診ている下町の現役医師と、関西介護界のゴッドマザーが語る、実践から得た介護の悩みが軽くなるヒントが詰まった一冊です。
数多くの高齢者と介護する家族を見てきたふたりからの、本人もあなたとご家族も穏やかに過ごせるための、自信を持ったアドバイスが心に響きます。
こんなあなたにオススメです
・親が認知症になってしまった
・親の介護につかれてきた
・親の介護がそろそろ気になってきた
・介護、認知症の知識が少ない
オススメ、共感を得たフレーズ
・無理して同居すれば、生活のリズムは狂ってしまい、そのストレスでボケが進むこともある。
・初診で認知症の薬をだす医者はヤブ!
・「最近、ボケてきたんじゃない!?」は、
どんなに仲が良い家族でも禁句です。
この言葉に親は傷ついています。
・大切なのは親の本心をわかろうとする気持ち。会話をする時は、必ず見つめてあげてください。
・明日の絶望を憂うよりも、
今日一緒にいられることを噛み締める。
幸福というのは「今」この瞬間しかない。
・ケアマネさんに遠慮は禁物。相性が悪いと思ったら、遠慮はせずに変更していいのです。
・「いつでも家に帰れるよ」
「会えないときも、お母さんのこと考えているよ」
面会のときにはこの言葉を忘れないで。
・いつでも家に帰れるのだ。
その安心感がこそが、最高のお薬になる。
・親の「老い」を考えたことがない人ほど、突然親が倒れたり、認知症と診断されたり、ひとり暮らしが難しそうになれば、「介護保険」を使って、大急ぎで「安心」を手に入れようとします。
・親が老いていくということ
それは、命の仕舞い方を、あなたに教えてくれているということ
あなたもいつかこうなるのだと
それは最後のプレゼント
この本の評価
■内容 :4.5
■読みやすさ :5.0
■実践しやすさ:4.5
■コスパ :5.0
■総合 :4.5
家族という時間は有限。
その時間を幸福にするのは子ども次第。
どんなに医療が発展しても人は老いるし、必ず死にます。
病気は治療できますが、老いは治療できません。
今、我々日本人に圧倒的に足りない「老い」を受け入れる力。
本書で、その「老い」を受け入れることから始めてはいかがでしょうか
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著者
●長尾和宏(ながおかずひろ)
長尾クリニック院長、医学博士、医療法人裕和会理事長。1984年東京医科大学卒業、大阪大学第二内科に入局。
1995年兵庫県尼崎市で開業。複数医師による年中無休の外来診療と在宅医療に従事。
日本尊厳死協会副理事長、日本慢性期医療協会理事、日本ホスピス在宅ケア研究会理事、関西国際大学客員教授、東京医科大学客員教授。
●丸尾多重子(まるおたえこ)
大阪市生まれ。4年間OLをした後、調理師免許を取得。15年間東京で食関係の仕事に就く。
帰阪後10年間で母、兄、父を在宅介護。ヘルパー1級(現・訪問介護員)取得の実習で介護現場の実態を知った憤りから、
2004年3月兵庫県西宮市に<つどい場さくらちゃん>を設立。2007年4月NPO化。
高齢者はもちろん、介護者や介護従事者らの交流の場を提供し、悩みを分かち合ったりすることで介護者の孤立を防いでいる。
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